* 快斗くんの工藤新一観察日記

不定期更新の予定です。
快斗くんが性格悪かったり新一さんがあほうだったりします。
見難くてすみませんが、下へ下へと付け足してゆきます…。





11/1-15 11/16-30 12/1-15 12/16-31 end



2ケツ  2005-12-1 (日)



 冷蔵庫を見たらほぼ空だった。俺は天才的に料理の材料管理が上手いので余計なものは残らないのだ。こりゃ買い物行かねーと。と上着を羽織ると、後ろで工藤がコートにマフラーを巻いて待機していた。
 俺も行く!
 らしい。どういう風の吹きまわしなのか。いつもは寒いというだけで学校へ行く事も渋るこの寒がりが。(防寒対策がばっちりなのはこいつの行く気のあらわれか?)
 目的は俺の見つけた安売りスーパー。ここからだとチャリで行くのが一番。だけどチャリは一台。歩いて行くか?と言うと工藤は自転車で行きたいと駄々をこねる。しょうがねーから、荷台に工藤を座らせた。体を横にして座った工藤は俺の肩に手を乗せて、ぎゅっと服を掴んで姿勢を保っていた。気に入っているジャケットだからあまり引っ張らないで欲しいのだが。二人乗りは何度かしているが工藤がバランスを取るのが下手なのか、走りが安定しない。
 途中、段差で大きくチャリが揺れた。工藤は咄嗟に腕を俺の腰に回してしがみ付く。普通の路に戻って、腕を外そうとする工藤に、その方が安定すると言ってそのままさせた。
 腹があったけー。
 目立つと困るからと、工藤にツバつきのニット帽を被らせたのは正解だった。

 帰りは、工藤が「俺が運転してやる」と言ってきたので俺が後ろに乗る。籠に荷物が入って行きより運転しづらくなったのに大丈夫かと思ったが、意外にすいすいと漕いでいた。自転車のパイプに足をかけて立っていた俺は、話しかけてきた工藤の声を聞く為にちょっと前かがみになる。その瞬間ふわっといい香りがした。それが気になって、工藤の髪の匂いを嗅いでみる。(あいつはぎょっとしていたが無視だ) 正しくそのにおいだった。
 同じシャンプー使ってるはずだよな?俺のはこんな匂いしないぞ。
 工藤の不思議がまた一つ増えた。





星座  2005-12-2 (月 )



 今日、学校から帰ってきてソファでぼーっとしていた工藤が、夕飯の準備をしている俺に聞いてきた。
 お前って何座?
 どうでもいいだろそんな事。と思いながら双子座。と答えると、へぇと言ってテレビに視線を戻した。
 そういうお前は?と聞くと、「お前と一番相性悪い星座!」と何故か怒り口調で返された。じゃあ○○座なのか?と聞くと違う星座だと言う。牡牛座?牡牛座と相性悪いなんて聞いたことないぞ。
 同居人に不機嫌でいられるのもなんなので、その情報源の雑誌を持って来させて読んでみた。
 なんのことはない、ただ工藤が読み間違っていただけだった。
 正しい相性は、別段悪くも良くもない。というもの。
 それを言うと、すぐさま工藤の機嫌がよくなった。
 ほんとに何なんだこいつは。


※ 星座の相性については根拠はありません。勝手に作ったものです。


123の日  2005-12-3 (火)



 一ヶ月近く工藤と同居しているが…偶にこいつの感覚についていけない時がある。
 カレンダーを見るなり工藤は、
 今日は123(※ワンツースリー)の日だな!
 と高らかに宣言したのだ。
 …それが?
 だったら1月23日はどうなるんだ?どっちも一年に一回くることだろうが。
 工藤は呆れ顔の俺に気付かずに大発見だと言わんばかりに腰に手を当てて満足気にしている。そりゃ今日が西暦1234年5月6日なら感動もしただろうが…それ(12月3日)じゃ無理だ。
 今日一日工藤の機嫌が良かったのが、日にちの語呂がいいからなんて理由だったら…俺はマジで俺の中の名探偵のイメージを塗り替えなければならない。

 と言いつつ一番信じ難いのは、そんな工藤を心の片隅でかわいい…と思っている俺、だったりするのだが。





料理教室  2005-12-4 (水)



 今度、泊りがけで大阪へ宝石を盗りに行くことになった。
 ということで今日は学校から帰ってきてすぐに俺様の臨時料理教室を開くことにした 。受講生は生活力に多大な問題がある工藤新一17歳。オス。
 俺が大阪に行くと言った為か、おとなしく俺の話に耳を傾けている。まずはこいつのレベルを見極める為にオムレツを作らせる。
 楽勝だぜ♪ …言った割には酷い有様だった。オムレツをバカにするからだ。オムレツ上手は料理上手で愛情上手…とまたくどくどといつもの説教をしてしまった。そんな事をしているうちに普通に腹が減ってきたので結局俺が作る羽目に。なんだか工藤の策略にまんまと嵌っている気がする。キッドの仕事の日まで時間をみて教え込もうと思ったのだが…この分じゃ俺が作り置きするか冷凍食品頼みになりそうだ…。
 まぁいい。めげずに教えていればこいつだっていつかちゃんとしたものが作れるようになるはずだ!





ムカついたけどさ  2005-12-5 (木)



 最近目立った事件がなく、工藤は真っ直ぐここに帰ってくる。平和なのはとてもいいことだ。
 今日も昨日に引き続き工藤に卵料理を作らせる。あきらかに工藤にやる気がない。見た目で分かる。単純なやつだ。
 ちゃんとやれよと諭してみるが、「お前が作る方が美味いからできなくてもいい。」と菜箸を置いてしまう始末だ。
 褒められて照れたのと、せっかく教えているのにやる気のない工藤に対するムカつきが一緒にきて、俺は何かを工藤に怒鳴ってコンビニに行くと言って家を出てしまった。宣言どうりコンビニについてから、一方的に言って工藤の話も聞かずに出て来たことが酷く餓鬼っぽく思えて、早々に家に帰ることにした。
 やってることが意味不明だ。何なんだ俺は?思えば工藤の前だけだ。こんなに感情的な行動をとるのは。自己嫌悪に陥ったり、相手の事がわからなくて考え込んだりするのも。お詫びにとコンビニで工藤の好きな飲み物を買って、少し足早にマンションへと戻った。

 家についてリビングを覗くとそこには工藤の姿はなく、テーブルの上に薄い皿がぽつんと置いてある。なんだ?と思い見てみると。
 吹き出しそうだった。崩れたオムレツの上にはケチャップでゴメンと書いてあって、工藤の部屋を見ればドアの隙間からあいつがこちらの様子を窺っている。
 コンビニの袋を掲げてこれ飲むか?と聞くとほっとしたように工藤が部屋から出て来た。
 他の人間が同じことをしたら俺はきっと引いている。だけど工藤がするといじらしいと思ってしまう。俺が怒っていないのを確認して安心した顔をみると抱き締めたくなる。やばいのは重々承知だ。けどそれが本心なんだからしょうがないだろ。認めざるをえないんだよ。

 工藤の文字の入ったオムレツは、前よりちょっと綺麗に焼けていた。
 食べると味が薄かった。





じっくり観察  2005-12-6 (金)



 工藤はソファで推理小説を読んでいる。あっちのを持ってきたのか、英語で書かれた工藤優作さんの新作だ。工藤は小説を読むときだけ薄いノンフレームの眼鏡をかけている。文面に視線を落としているので工藤の睫毛がよく見える。マジ長ぇんだこれが。
 テーブルにはコーヒーとお菓子を置いて。俺はと言うと向かい側のソファでトランプ銃の調整の為ドライバー片手に工藤の観察中。ばらした部品が散在していて俺の周りだけやたらと散らかっている。お互い言葉を発しないからこの部屋はすごく静かだ。時折工藤がページを捲る音、俺がネジを回す音だけが響く。
 真っ直ぐに通った鼻梁、薄い唇、長い睫毛に二重の眼。それらが絶妙なバランスで配置されていて…やっぱり工藤は筋金入りの美形なんだなと改めて思った。
 トランプ銃を元に戻して、俺は工藤の隣に移動する。静かなのもいいけど、明日は大阪に行くんだし?工藤に留守中のことでたくさん言う事があるんだよな。
 俺が口を開いた瞬間、静かだった部屋は一気に賑やかになった。
 さて、明日は大阪だ。





レッツゴー大阪  2005-12-7 (土)



 朝から多めに料理を作って、いくつかの鍋に分け、冷蔵庫には温めて食べられるものを入れておく。工藤は眠たそうにそれを見ていたが、慌しく出て行こうとすると不意に俺の裾を引っ張った。
 …行ってこい
 それだけ言うとそっと手を離す。
 行ってくるよ。そんでちゃんとここに帰ってくる。そんな寂しそうな顔すんなよな…
 大阪の探偵に会ったらお前の事言ってやろうかな。今うちで俺の帰り待ってるよ。って。





う〜ん…  2005-12-9 (月)



 昨日の首尾はぼちぼちだ。大阪の探偵が現れたが無事宝石を盗って確認を済ませ、そのまま府警本部に返してやった。
 朝方帰ってきてまず最初にしたのは朝食の準備。時間があったからいつもより気合を入れて作ってやった。眠そうな顔で起きてきた工藤は、おかえりと言うなり俺に抱きついてくる。寝惚けてるのか…?朝から心臓に悪いやつだ。飯を食えと椅子に座らせると半分が眼が閉じた状態でもそもそと食いだした。俺はそれをじっと見つめる。食っている時の工藤は格別可愛いのだ。
 いやいや、少し離れただけでこの有様はまずいだろ俺…。心なしか工藤からの視線も熱い気がする。
 俺たちは新婚夫婦か!





昨日のこと  2005-12-10 (火)



 学校から帰ってきた工藤がまず俺に見せたのは…酒だった。 
 あいつ曰く、大阪でのキッドの仕事が上手くいった祝いらしい。多分キッドに託けて飲みたいだけなのだろう。どうやって持ってきたのか、ワイン、チューハイ、ビール、ウイスキーととにかく種類が豊富だった。ツマミになるものを俺が作っている間に工藤はワインに手をつけ始める。
 やべぇ、飲むペースが早い。
 急いでツマミを出した頃にはワインがボトルの半分になっていた。おまけにそれだけの量で酔った工藤は、いつもと同じ様に向かい側に座った俺に腹を立て、どすっと俺の隣(かなり密着した距離)に腰を下ろす。
 かと思えば、盛大にグラスにワインを注いで、それを俺に押し付けた。距離を更に縮めて、「飲めよ」と命令する。久々に至近距離にいる工藤には逆らえなくて、一気にそれを飲み干した。この時点でボトルはほぼ空になる。どうだとばかりに工藤を見ると、大きな眼で俺を凝視していた。頬が朱に染まって、ぱちぱちといつもよりゆっくり瞬きをして。酒じゃなくて工藤にくらっとなる。頼りは俺の自制心のみだ。
 その後も工藤のペースは落ちず、しきりに俺にも飲ませるので、ついつい俺も気が緩んでしまった。酔ってる工藤は可愛いなと思った直後、頬にうちゅと口をつけていた。それに工藤は怒りもせず抱き着いてくるから最後には寄り添って酒を飲んで…そのまま寝てしまったらしい。今日の朝起きたらそう考えざるを得ない体勢だったのだ。
 しかしあいつがあれだけ近づいてくることも珍しい。もしかして、工藤は俺がいない間寂しかったのかもしれない。もしくは甘えたかったとか。
 一体あいつは俺のことどう思ってるのかな?嫌われてはいないと思うけど。
 なんだか無性に知りたくなった。

 ちなみに、工藤は俺がツマミを持っていった辺りから記憶がないらしい。
 ま、それくらい予想範囲内だ。





恐怖  2005-12-11 (木)



 今日は久し振りに工藤が警察に呼び出された。
 部屋でいつもの様に夕飯の準備をしていたその時、チャイムが鳴った。
 来訪者を知らせるディスプレイを見ると、そこには見たことのある人物が立っている。
  灰原…もとい宮野志保さんだ。
 ドアを開けると、「はじめまして」と挨拶され微笑まれた。普通ならこんな美人にそうされたら嬉しいのだが、直感的にいい笑みじゃないな…と悟り俺の顔は引き攣る。
 コーヒーを淹れて、彼女の用件を聞くと「彼はちゃんと生活してる?」と聞かれた。ちゃんと食わせてちゃんと寝かせてるよと答えると、そう…と彼女が安堵する。この会話だけ聞いたら小学生か幼稚園児のこと言ってるみたいだな。実際は17の高校生のことなんだけど。
 彼女がここまで来たという事は俺の正体も知っているのだろう。今更だがこのマンションもう隠れ家じゃねーな…はは。
 工藤のことを確認すると、意外に早く志保サンは帰ると言う。背中に悪寒がしたのは気のせいなのかと彼女の認識を改めようとしたのも束の間、しっかりと去り際にでっかい爆弾を落として行ってくれた。
 彼に手を出すなら早いほうがいいわよ…?
 なんで来たばっかなのに俺の微妙な気持ちに気付いてるんスか!?しかも早いほうがいいってあんた。まさか工藤に盗聴器か盗撮機が…!?

 その後、帰ってきた工藤の体をまさぐってドキドキしてしまい、工藤も顔を赤くするだけで、俺達の間には何とも微妙な空気が流れたのだった。





サッカーなんて…  2005-12-12 (金)



 サッカー…ボールを蹴ってゴールへいれるスポーツ。
 工藤は現在それに夢中だ。俺の作った夕飯もそこそこに画面に魅入っている。面白くない。俺が目の前にいるのにいないかのような扱い。食べ終わった食器をシンクに突っこんで、戻ってきた俺は工藤の真横に座った。おもしろい?問うてみればうん!と無邪気な答えがかえってくる。試合を見ている最中工藤がすっげー、かっこいいーを繰り返すのでキッドより?と聞くと勿論と即答されてしまった。おい本格的にムカついてきたぞ…。
 どれくらいかっこいいわけ?
 むすっとした顔を隠さず聞いた。(されど工藤はこちらを見ていない)
 このチームのエースになら抱かれてもいいなぁー…
 って、ななな何を言ってるんだこいつは!ふしだらな!破廉恥だっ!
 寧ろ抱かれたいぜ。くらいの勢いで言った工藤の頭を軽く小突いて俺は風呂に入った。 





寒さ万歳  2005-12-13 (土)



 起きると同時に目を剥いた。
 何かすべすべのものを撫でている…と気付いた俺が見たものは、小さな工藤の頭だった。成程温かいと思ったよ。ってそんな呑気でいれるはずがなくて。俺の心臓ははち切れんばかりだ。だって目の前にはすやすや眠るお姫様がいて。あろうことか俺にくっついて離れないのだ。
 離してほしいような、勿体無いような。ああ、やっぱすげーイイにおい…。
 思うさま匂いを嗅いで、背中に腕を回してぎゅっと抱き締めたらもう駄目だ。こいつが起きるまで離せない。

 昼近くに起きた工藤は、起きるなり 寒かったからこっちきちった。 と言って俺を惑わせる。
 とりあえず今日のところは寒さ万歳。





キッドの予告日  2005-12-14 (日)



 今日はキッドの予告日。米花界隈で警察の姿が見られるだろう。
 警官を何人動員しようが俺は完璧に盗んでみせる。工藤一人いたら思うように盗むのは困難になるのだが、気まずい雰囲気になったあの日以来、工藤はキッドのことについては一切触れてこない。俺の逆鱗に触れたと思ったのかもしれない。それほどナイーヴになってはいないのだが。

 首尾よく宝石を盗んだところで工藤邸上空に経路を取り夜間飛行した。上から見る限り真っ暗な家の周りにはストーカーの姿はない。郵便受けから溢れ出した新聞が主の不在を物語っていた。
 マンションに帰って、髪を乾かしていた工藤を前に、ストーカーいなかったぞと喉まで出かかったが、結局言わなかった。
 それを誤魔化すように俺はひたすら白馬と二課の無能さについて語っていた。
 今日も工藤は寝る時になると俺の部屋に来て布団に入ってくる。寒い寒いと言いながらやってきて布団に入るとあったけーと満足気に呟いてさっさと寝てしまう。コレはこのまま習慣化するのだろうか?俺の安眠が危うい。





ペットだ  2005-12-15 (月)



 今日は工藤が事件につかまって11時に帰宅した。帰って来てまず最初に俺に抱きつくとはどういうことだ?少しは若い俺の身を案じてくれ。頼むから。つーか最近頓にスキンシップが過剰になってないか?
 あのー…
 言いかけた俺の言葉を塞いだのは上目遣いで見上げた工藤の綺麗な双眸だった。
 いいじゃん疲れてんだよ。
 男に抱き着いて楽しいですか名探偵…。
 だってお前いいにおいするから。
 ってそれ俺と一緒じゃん。ボディソープもシャンプーも一緒だからか。でも俺としては自分は無臭だと信じていたのだが。キッドの時に気をつけなきゃなと考えながら、俺は無意識に工藤の頭を撫でていた。すごい落ち着くんだこれが。なんつーか、新しい癒しだ。あいつ身体からマイナスイオン出してるんじゃないだろうか。
 マジで疑いたくなるくらい落ち着く。工藤新一式癒し術とかできそうだ。
 俺も大概アホだな。