アスキラ←シン 例のごとくシンが大好きな方は見ないほうがよいです。









焔の瞳





 長きに渡った地球軍とZAFT軍の戦いは終戦を迎えた。
 世界の人々はまたもラクス・クライン一味の行動を支持し、彼女らを英雄に祭り上げる。その中心にいるのは、先の大戦と同じく、アスラン・ザラとキラ・ヤマト。デュランダル議長に敵対し彼を殺したあいつらが英雄だなんて、俺は未だ解せないでいる。アークエンジェル、エターナルのクルーと対面するこの日になってもだ。

 裏切り者のアスラン。ステラを殺したキラ・ヤマト。
 最悪だ。

 終戦直後の世界はまだ混乱の最中。比較的落ち着いているからという理由で俺たちの乗った半壊のミネルヴァはオーブに降りたった。傷の浅い故郷を見た俺は心の中で安堵していた。デュランダル議長が生きていたなら確実になかったであろう故郷。絶望を味わったこの大地にまだ未練がある事実を認めざるを得なくて、そんな自分に吐き気がした。
 到着早々、オーブの代表が俺達の前に姿を現した。久し振りに見たアスハ代表は、戦後の処理に追われている為か疲労の色が強い。だが以前言い合った時よりも凛として、一国の主と言うに相応しい威厳を感じた。今はそれも俺を苛つかせる要因となる。
「アーサーだったな?少し邸に入って待っていてくれるか?あいつらも直に着くらしいからな」
「わ、わかりました!」
 頼りないアーサーの指示で俺たちはアスハ邸に入る。オーブに住んでいた時にも入った事のない場所に、こんな形で入る事になるなんて思わなかった。
「ここにあるものは自由に使ってくれ。風呂でも食べ物でも好きにするといい。では、わたしは少し外す。何かあれば隣の部屋にいるキサカに言ってくれ」
「はい!ありがとうございますっ」
 アスハは顔見知りの俺達を一瞥し、声をかけることなく客間から消えた。

「ねぇ、シン?どうしちゃったの?さっきから怖い顔して…」
「ルナ…こんな所に連れてこられて、嬉しいわけないだろ?」
「それもそうね…この後のこと考えると余計に、ね」
「ああ…」
「あんた、熱くなって殴りかかったりしないでよ?なんて言ったってあっちは英雄なんだから」
「殴る気もしないよ…あんな奴ら」
「でもちょっと興味ない?フリーダムのパイロット!なんでも謎が多い人物らしいじゃない」
「アスランの知り合いならあの人みたいに真面目やつなんじゃないの?俺はそんな事どうでもいいね…」

 偉そうな事言って、結局寝返った事実は消せないんだ。俺がレイとデュランダル議長に踊らされているなんて。一瞬でもあの人に憧れた自分が馬鹿みたいだ。
 フリーダムのパイロットだって、コックピットを狙わない聖人君子主義だったくせにステラの命は救わなかった。あの子にこそ慈悲があってもよかったはずなのに。
 そんなやつらと対面なんて、莫迦げてる。今更なんの意味もない。






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