|
08. 目覚め 「みぃ〜?」 朝一番の恋人の第一声がコレだったら、誰だって吃驚するだろう。 昨日はいつもどうり風呂上りにいちゃいちゃ(俺が一方的に)していて、その流れでエッチしてそのまま寝ただけのはずだ。特別な事は何もしていない。 多分蒼いであろう顔色のままもう一度新一を凝視する。 「みー?」 「うっ………!」 鼻血出そ… 言葉が通じていると思っているのか、新一は首を傾げて俺の返答を待っているようだ。シーツに包まってはいるが全裸のまま。 「みゃうみゃう!」 どうしよう…このまま押し倒してみようか。このままだとどう喘ぐのかが非情に気になる。 怒り出した様子の新一を前に邪な考えを浮かべた。新一の異変は今のところ喋りが猫語になったことだけだ。耳も尾も肉球も見当たらない。そして自分が猫語を話していることに気付いていない。これが厄介なような救いなような。 とにかく、本人に気付かれないように会話を成り立たせてみようか…。日頃の新一への愛が試される時だ。表情だけで新一の意図を汲み取らねば…! 「えと、お早う新一…朝ごはん食べようか?」 「にゃ〜」 ええと、今のは“うん”でいいんだよな? 「じゃ、ささっと作るから着替えたら下降りてお風呂入っててね?」 「みゃう」 服を着ながら平静を装って話す。新一は裸であったことに今更照れだして、俺が上着を着る頃には身体をシーツに隠して恥ずかしそうにみゃあみゃあ言っていた。 「はいはい、ゆっくりでいいからね?」 毎朝の会話を思い出しながらなんとか会話を成立させる。頬にちゅっと軽いキスをして頭を撫で撫ですると、ゴロゴロと咽喉を鳴らして目を細める。 可愛い……死ぬほど可愛いってば。 一階に下りるとまず最初に電話をかけた。 「哀ちゃん、新一がにゃんにゃん言って可愛いんだけど…」 『切るわよ』 ガチャン!! ツー…ツー…… しまった…頼れる彼女は研究成果が芳しくないとかで、最近ご機嫌麗しくないのだった。 どうしようどうしよう…あの可愛いのどうすればいいんだ? 外に出すわけにはいかない。かと言って一緒にいると襲いそうで不安だ。 「みゃあ〜♪」 「うわっ!!」 電話の前で途方に暮れていると、新一がダイブしてきた。 驚かそうとしただけなのだろうが(新一は普段から脈絡なくこういうことをする)背中に抱きついてにゃんにゃん言うのは反則じゃないか? 「新一…」 「うにゃ?」 どうしようこの可愛いやつ… やっぱり、朝食の前に新一を頂くべき? 終わるのです^^; (060319) |