萩原の失敗
警視庁の廊下を歩いていると自販機の前に見慣れた顔があった。
「よ、名探偵くん!」
「萩原さんっ!」
コーヒーを飲みながら資料を見ていた新一は萩原に気付き顔を綻ばせた。
いつ見ても可愛いやつだなぁ、松田のだとわかっててもどきっとするんだよなー
てくてくと寄ってきた新一の持っていた資料を覗き込んで見ると過去に見た資料の事を思い出し、それを言うと是非見たいと新一が言うので二人で書庫へと行くことになった。
なんか妙な展開だけど、こいつから行こうって言いだしたんだから松田も文句はいわねーよな?でも書庫って言ったら薄暗いは狭いはで・・・・・・・って何考えてんだ俺はっ!相手は高校生でしかも男!おまけに親友の恋人だろ!
「萩原さん、コレですか?」
顔を傾けて聞いてくる新一は最高にかわいい。推理時とは打って変わって幼く見えるそのギャップも彼の最大の魅力であろう。
「ああ、それだ」
新一は食い入るようにその資料を見ている為萩原の不躾な視線には気づかない。
うっわ〜、なんかムラムラしてきた。こいつ下見ると睫毛長いのが顕著になるんだな。
松田にゃ悪いがそこらへんの女よりよっぽどオカズになるわ。
欲望がむくむくと湧くのを抑えつつ萩原は平常心を装っていた。だがそんな萩原の努力を無にしたのは他ならぬ新一であった。
「萩原さん、これどういうことですか?」
爆発物に関する資料は専門用語が飛び交っていて新一でもわからない言葉もある。爆弾のことはプロに聞こうと新一が萩原に身体を寄せて聞くと背丈の差から自然と上目遣いになる。
なぜかいつもより多い新一のフェロモンと密室に二人だけという環境が悪かった。
萩原の理性はもろくも崩れた。
因みに親友の恋人だとかいう倫理観はこのときの彼からはすっぱり消えていた。
「なぁ、新一・・・・・松田とはもうやったか?」
「え?」
質問の答えではなくとんでもないことを聞いてきた萩原に新一の思考が停止した。
「アイツと、せっくす、したのか?」
新一の顔を覗き込み意地悪げな笑みを浮かべて聞くと意味を理解した新一の顔は真っ赤に染まった。聞かずとも二人がそこまでの仲ではないことは見ていればわかる。今の新一の反応からも萩原の予想は確信に変わった。
「その様子だとまだなのか?」
「・・・・・・・・・・コクン」
おろおろと視線を泳がせる新一だが萩原の質問に律儀にも答える。
「おっかしーなー、あいつ手早いはずなんだけどなー」
「そ・・・うなんですか?」
不安げに揺れる新一に良心を痛めながらも萩原の言葉は続く。
「前は女とっかえひっかえだったからな。会ったその日に最後までっていうこともよくあったぜ」
「そんな・・・・・・・」
「おわっ、待て!泣くなよ!」
うるうると眼を潤ませる新一に焦るが遅かった。瞬きとともに雫が落ちると後からぽたぽたと新しい雫が瞳から溢れだす。
「グスッ・・・・・俺が、子供で・・・しかも男だからですかっ・・・・・?」
「いや、あいつもしたいと思ってるだろうよ。けど流石に男と付き合うのは初めてだろ?だから戸惑ってんじゃないか?」
「そうだとしたら、俺はどうしたらいいんでしょうか?」
「慣れとけばいいんだよ。男同士のセックスってやつに」
「そんなの、どうやって?」
顔を真っ赤にして問うと萩原は笑みをいっそう深くした。
「・・・・・オレが練習台になってやるって言ったらどうする?」
「萩原さんが?悪いですよ、そんなことさせるなんて・・・・」
「オレは構わないぜ?」
涙を堪える新一にすっかりその気になった萩原は今だとばかりに新一の腰を引き寄せた。
「今でもな」
「えっ、でもここは・・・・・」
「さっき鍵閉めたから安心していいぜ?声は我慢しないといけないけどな」
「こここ、声って!」
新一の意思はさらっと無視をして早々に服に手をかける。
「待って下さい!萩原さん!」
ここまできてやっと事態のおかしさに気付いた新一が萩原の肩を押して離そうとするが鍛えられた萩原の力に敵わずシャツの前と制服のズボンの前を広げられる。
「松田のコレがお前のココに入るんだぜ?一度で上手くいくわけないだろ?」
「やっ、あ!」
ズボンの中に手を忍ばせて下着越しに新一の前を掴み、その手をそのまま下にずらして閉じた蕾に指を宛がう。
「やだっ、離して・・・・・っ・・・!」
「いいのか?松田のときに失敗しても」
「失敗・・・?」
「お前が痛がって中断したらあいつ萎えて冷めるんじゃねーかな?」
冷めるという言葉に新一はびくりと反応し、身体の力を抜くと萩原の首に腕を絡めた。
「続き、して下さい・・・・・」
新一は松田に冷められることを考え思考がおかしくなってしまった。本来の新一なら間違いなく拒んだであろうが萩原の巧みな話術(弱みにつけこんだだけ?)に翻弄され積極的に萩原と交わろうとする。
新一が堕ちたことを確信して萩原は脱げかけて膝にかかったズボンを掴んだ。
「脚上げろ」
下を脱がそうと萩原がそう言うと新一は素直に片足を上げて恥ずかしさに萩原の首に顔を埋めて耐えた。
萩原が徐に新一の下着に手をかけた時・・・・・・・・
「・・・ぶっ殺すぞ、てめぇ・・・・・・・・・・」
「松田・・・・・・?」
後ろから萩原の襟を掴んで引っ張ったのは紛れもなく松田陣平であった。
「おまっ、・・・・・鍵は!?」
萩原は確かに鍵を閉めたはずだと驚愕してドアのほうを見るとドアノブの穴の部分に針金が刺さっている。
自力で開けたのかこいつ。手先が器用なのは知ってたけどそこまでできるとは・・・・・
「とっとと離れろよ」
眼が据わりきっている松田にはいはいと適当な返事をして新一から離れた。当の新一は半裸な状態のまま松田を見ずに俯いている。
「新一、ちゃんと事情は説明してもらうからな?」
「松田さん・・・・・・・」
予想外に優しい口調で頭を撫でる松田を見上げるとすぐに口唇が落とされた。
「ン・・・・・ッ・・・」
濃厚になる雰囲気の中萩原は手持ち無沙汰で
「オレは消えたほうが良さそう?」
と呟いてしっかりと鍵をかけて部屋から出て行った。
「はっ、あ・・・・・・・・松田さん・・・」
「なんだよ?」
「俺の身体には興味ない?女の人の身体じゃないとやる気しない?」
「萩原に何言われたか知らねーが、オレはいつだってお前が欲しくて堪らなかったぜ?」
「うっ、ん・・・・・・・アッ!ちょっ、と・・・・・ココでするっ・・・の?」
「萩原が準備したみてーだしな?」
「やっ!まつださ・・・・・俺初めてだし、上手くできないよ・・・・・っ・・・」
「忘れたのか?オレの自慢は手先の器用さだぜ」
ニヤリと笑う松田の手管に陶酔した新一が甘い嬌声を吐く中、書庫に近づくものはいなかった。
それはせめてものお詫びと萩原が人除けをしていたおかげであったりする。
.end
松新なのか萩新なのかわからないブツ
新ちゃんアホっぽいなぁ