Thank you for waiting.







「マジックショーのフィナーレだ・・・」

「お前を巨匠にしてやるよ、キッド。監獄という墓場に入れてな」

「じゃあな、キッド・・・江戸川コナンは消える・・・」



小学生独特のソプラノ声で、彼はいつも立ち向かって来た。
思えばいつもその小さな身体にハラハラさせられた。相手はそれを知ってか知らずか無茶ばかりで、ビルから飛び降りた時は本当に心臓が止まるかと思った。

ずっと現場に現れない彼。
こうしてビルの上で宝石を翳して不要だとわかっても渡す相手がいなくなって、早3年。最後に対峙したのもこのビルだった。

「アメリカに行く・・・・・・行って、組織を完全に消す」

君は今何をしているんだろう?
怪我なんてしていない?いつも無茶ばかりだから、それが心配なんだ。
オレは今でもあの時を振り切れなくて、こうして女々しくここまで来ているよ。


「弱き者よ、汝の名は・・・・・・」


女、じゃなくて黒羽快斗・・・か。




「屋上で独り言か?・・・・・・怪盗キッド」


響いたテノールに振り返る。
久しく聞くことのなかったその声に、中枢神経が反応する。
そこには君が立っていて、変わらぬ瞳で見つめていたのだから。


「お待ちしておりました」


本当に、ずっと。





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