hello, darling. 今日は待ちに待った新刊がたっぷり10冊家に届いた。予てから父親に頼んであった世界各国のミステリー小説が漸く届いたのだ。この悦びは筆舌に尽くし難いものがある。昨日は珍しく充分な睡眠を取った為、今日は夜更かしを前提として本の世界に没頭するという俺的至福の時間を味わっていた。 そこに無粋な輩が一人。どうやら相当暇らしい。 「ご機嫌ようv」 「・・・・・・・・・・・・」 「ご機嫌よう・・・?」 「・・・・・・・・・・・・」 「うわーん!シカトしないでぇ〜めーたんてー!!」 五月蝿い。とても五月蝿い。俺の血管がピクピクとしていることに気付きもしない怪盗は横から抱きついて尚も騒ぎ立てる。 「めーたんてー!怒ってんの?そうなの??オレなんかした?謝るから捨てないで〜〜〜」 「うるっせーな!見てわかんねーのか!?てめーの脳みそは飾りか?ああ?」 とうとう切れた(これでも我慢した方だ)俺は本を奴の顔にぐりぐりと擦り付けて怒号を飛ばした。 「うう、・・・・・・愛が痛いよ、名探偵」 「自業自得だ」 鼻をさすって怨み言を言う怪盗にフンと尊大に答えて再び本を広げて読む。・・・が、肩の重みがいつまで経っても離れない。それどころか徐々に顔が近づいてくる。 「いい加減離れろ・・・読めねーだろ」 「ん?いいじゃん。気にしないでv」 「気になるってーの、唯でさえ・・・・・・」 「なに?どうしたの??」 「お前、フランス語完璧だったりする・・・?」 「英語の次に得意v」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ニヤリ」 「なんですか?その悪魔のような笑みは・・・」 「一緒に読もうぜ、キッドv」 新一が見せた本の題名を見れば成程フランス語である。そう言えば前にフランス語はあまり得意ではないと言ってたな、と遠い記憶を思い出しキッドは了承した。 「そうと決まれば・・・」 「え?おいっ?」 新一の横に座っていたキッドは徐に新一とソファの背凭れの間にスペースを作りその間に納まった。足の間に新一を座らせる格好で、後ろから細腰に腕を回し新一の肩に顎を乗せて本を読む体勢を作る。 「変態・・・・・・・・・」 「ひどっ!これが一番読みやすいの!」 「変なとこ触んなよ・・・」 「はいはい。オレの当たっても気にしないでね〜」 「・・・不埒な反応しやがったら不能にしてやる・・・」 氷の微笑で言い放つ新一に背筋を凍らせながらキッドはこくこくと頷いた。 「なぁ、これなんて意味?」 「それは致死量」 「じゃあこれは?」 「それはスラングだよ。相手を罵倒する時に使うの」 「お前って・・・・・・・・・」 「なに?」 「超便利だな」 「あぅ〜・・・・・・」 ちゅv 新一の言葉に情けない顔で項垂れていれば、突然に振ってきた短いキス。 「俺お前と付き合っててよかった」 「新一〜v」 便利だから、という言葉を暗に隠した新一には気付かずにキッドの顔は緩む。新一は普段は冗談でもそんなことを口にすることはないのだが、キッドに包まれる体勢は思いの外楽で気持ちが良かった為つい口が軽くなる。おまけにサービス精神が旺盛になっていた。 「終わったら一緒にフロ入ってやるから、もう少し付き合えよ」 「うんうん、お付き合いしますよ♪」 「顔ニヤけすぎ」 「新ちゃんの機嫌が良くなってよかったv」 開口一番怒鳴られたことを思い出して怪盗は新一を抱き締めながら一人感激するのであった。 本が残り何冊かも知らずに・・・・・・ .end |
・・・・・・ヘタレキッド様もいいと思うわけですよ。かっこいいだけがキッド様ではないということで。
しかし、ここまで俺様な新一さんを書いたのは初めてかも。
背景の花言葉は無邪気・・・だったかな?