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オーナー・シェフ
〜初めてのお宅訪問編〜 新一との約束の日は明日。快斗は自室で何を着て行くべきかと鏡の前で一人はしゃいでいた。 「いつもみたいにラフな格好でいいかな?でも新一は割りと綺麗系なんだよねー。オレもそっちにしとこうかなー」 数回だけ見たことのある新一の普段着はモノトーンの大人っぽい雰囲気であったことを快斗ははっきりと記憶していた。快斗はというと大学の帰りに寄ることが多く、バイクに乗っている為、動き易いカジュアルな服を着ることが多かった。 「年はそんなに変わらないのに新一はなんか大人っぽいんだよねー」 うふふと大好きな彼の厨房での包丁さばきを思い出してニヤニヤしていた。そう、今の快斗はまさに恋する乙女そのものである。しかも初恋の相手と初めてのデートに行く前日の乙女である。一人暮らしである為、彼のその様子を見ている人がいないことがせめてもの救いであろう・・・・・。 料理してるとこ見るとオレのことも料理して!っておも・・・・いやいや、そうじゃなくて!オレも新一を料理してーっ!!って思っちゃうんだよね・・・・・。ふっ、このモテモテで相手に困らないオレ様をここまで惚れさせるとは、流石だよ、新一vv すっかり頭の熔けている快斗は日付けが変わるまで新一の魅力について考えながら着る洋服について悩んでいたのだった・・・・・ ***** そして訪問当日 ***** う〜ん、あんだけ一人でファッションショーしておいて結局いつもより少し小奇麗なだけな感じになっちゃったなぁ・・・・・ とはいえあまり気合を入れすぎても空回りをしそうなので快斗はこれで良しとした。帽子を被り、逆ナン防止策はばっちりだ。後は愛しのオーナーが来るのを待つだけである。 「新一がオレの住まいまで迎えに来てくれるなんて超ハッピーじゃねー?」 ほわほわと浮かれ気分で待っていると突如快斗の新一レーダーが反応した。 「しーんーいーちーっ!こっち、こっち!オレはここ!」 おわー、新一スーツ着てるっ!やべー、オレの気合足りなかったのか!? 快斗の視線が服装に集中していることに気付いた新一は申し訳なさそうな表情になった。 「ああ、これ(スーツ)は午前中にちょっと仕事してたからだよ。だからちょっと遅れちまった。ごめんな?」 「いや、気にしないで!全然待ってないし!」 遅れていたことなど浮ついた気分の快斗が気付くはずもなく、今はただ初めて見るスーツ姿の新一に見惚れていた。 「かあっこいー、これアレでしょ?なんとかってブランドの」 「なんとかって何だよ?」 「名前忘れたー」 「俺も知らねーよ、もらったもんだから」 「こんないいもの貰えるの?新一ってもしやボンボン?」 「さぁなー、普通じゃねー?」 新一の車が停めてある場所まで他愛もない話をしていた。快斗は見るからに浮かれているが、新一の表情も仕事中には見せないような穏やかなものとなっていた。それに本人たちが気付く事はなかったが。 新一の車ってどんなのかなー?オレ実は車バイク関係にはちょっとうるさいんだよな。本当に金持ちだったらポルシェかフェラーリかベンツくらい乗ってるかも?まっ、新一ならどんな車も似合うけどね。 「狭いと思うけど俺の趣味だと思って我慢してくれ」 そう言った新一が鍵を開けた車は快斗の想像とは違う意味で凄いものであった。 「う・・・わぁ、これって・・・・・・!」 感極まって車を見つめる快斗に気付いた新一は不思議そうな顔で聞いた。 「そんなに珍しいか?コレ。日本車だぜ?」 「だってこれ生産終了モデルじゃん!しかも限定車種!中古車にも滅多に出回らない幻の車!そしてオレこれすげー好き!」 眼を輝かせて車の隅々を興味深げに見る快斗が微笑ましかったので新一は暫く好きにさせておいた。 「まさか気付くとは思わなかった。見ただけじゃ普通のやつはわかんねーもんだしな。黒羽相当車好きなんだな」 「うん。バイクも好きだよ。いいなーオレも車欲しいよーー」 「なら俺の店でしっかり稼げ?デザートに関しちゃ歩合制だかんな」 「マジ?いつから歩合制に・・・・・」 「今日の午前に決まった。後で詳しい事話すからそろそろ行こうぜ」 車に張り付いて離れない快斗をくすっと笑い助手席に乗るように言うと新一は運転席に乗り込み、エンジンをかけた。 「じゃ、行くけど本当に俺の家でいいのか?飯ぐらい奢るぜ?」 「いいのいいの、新一の作ったのが食いたいし」 「まかないでいつも食ってんのに、変なやつ」 自分の料理を食べたいと言う快斗の言葉は嬉しいが、それでは褒美をやった気にならない新一は他の快斗が喜びそうなこともしてやろうと思いながらギアを入れ、クラッチを繋ぎ自宅へと向かった。 その様子を眼をハートにして見つめる男が横に座っているのであった。 ***** 新一のマンションにて ***** 「・・・・・・・新一ってやっぱりお金持ち?」 「は?なんで??」 「だってこのマンションすげーよ・・・」 しきりに感心し続ける快斗にそーかぁ?と気のない返事をすると新一はエントランスでダイヤルを押し、自動ドアを開けていた。 「ぼーっとしてるとおいてくぞー」 「わっ、待ってよー」 快斗は慌てて新一にのもとへと走り、興味津々な様子で聞いた。 「親御さんは何してる人?まさか社長とか?」 「いや」 「じゃどんな仕事してるの?」 「もっと効率よく稼げる仕事だよ」 「効率のいい仕事?」 わっかんねー・・・・・でもあんまりしつこく聞くもんじゃないよな。ここの家賃だって新一が自分で払ってるんだろうし。しかしあのレストランってそんなに儲かってんのか・・・・・?(←失礼) 快斗が余計な心配をしているうちにエレベーターに乗り新一が階を押した。その押した階数が予想通りかなり高い階であったため快斗の中では新一リッチマン説が揺ぎ無いものとなったのだった。 「どうぞ。あんまり片づいてなくて悪いけど・・・・・」 「おじゃましまーっす」 鍵を開けて中に招く新一に異常にどきどきしながら快斗は靴を脱いで広いであろう部屋の中に入った。 「全然きれいじゃん。オレの部屋なんてすげーよ。足の踏み場ないから・・」 からからと笑って言った後にしまった!と思い顔が青褪めた。 こんなこと言ったら不潔な男だと思われるーー!新一顔と同じで綺麗好きそうだしな・・・ でも実際散らかってるしエロ本もあるしなー 「マジで?今度見に行こうかな」 なにーー!?新一がオレの部屋に?オレの失言が良いほうに転んだか? 「ほんとに来る?なら掃除しとくよ?」 「ああ、今度な。酒でも持って行ってやるよ」 平静を装ったが内心ばくばくもので聞くとあっさりと新一は来ると言う。心の中でよっしゃー!と派手にガッツポーズを取り快斗はポーカーフェイスで応える。 「じゃ、その時は丁重におもてなしするよ、オーナー?」 「いきなり上下関係持ち込むなよ、おまえ」 くすりと笑って新一は着ていたスーツの上着を脱ぎ、首もとのネクタイを掴み引っ張って緩めると、それをしゅるりと抜き取った。その様子を凝視している快斗には気付かず、新一は更にサービスとばかりにシャツのボタンを2つ外す。 おお、なんて扇情的な光景・・・・・やばいよ、今新一の部屋に二人きりなのに盛っちまう・・・ 部屋の中新一の(イイ)匂いで充満してるし新一は色っぽいしでオレの理性が持つか自信なくなってきた・・・ 「そういえば・・・・・」 「えっ、なに!?」 心の中の不埒な考えを聞かれたような気がして快斗は思わず大きな声を出していた。 「お前、家来てなんかしたいことでもあったのか?」 そんなのいっぱいあるに決まってるじゃん・・・! そう思ってももちろん本当のことは言えるはずがない。 「え、っと、特に理由はなかったけど、どんなことに住んでるのかなーって思って。ほら、オレたちって仕事以外では会ったことなかったでしょ?」 「そーいや、そうだな。ま、飲みもんでも入れてくるからそこ座っててくれ」 ソファを指差しそう言うと新一は別の部屋へと消えていった。 リビングからキッチンが見えないってのがすごいよなー。寝室も別なのかな?つーか何部屋あるんだここは? 部屋を見渡せばモデルルームのように落ち着いている。生活感のない部屋とはこのことを言うのだろう。 一回だけじゃなくて何回も来たいよなぁ。どうすれば頻繁に来てもおかしくないような状況にできる?料理教えてくれとか?あ、それだと店になるか。 「なに難しい顔してんだ?」 両手にコップを持って戻ってきた新一はソファの上にそれを置いて向かい側のソファに座った。 「いや、なんでもない。いただきます・・・あっつ!!」 「大丈夫か?」 淹れたばかりのコーヒーを勢い良く口に含んだ快斗はカップを離すと暫く舌の痺れと戦っていた。 「わり、熱過ぎたかも」 「いやオレちょっと猫舌だから・・・・・」 ハハハと笑って言うが、いい加減落ち着けよオレ!と叱咤したくなる。いつまでもこの調子ではせっかく新一の家に来れたのにわたわたしただけで終わってしまう。 今こそ不必要に積み重ねた女の子相手に有効なプレイボーイとしての技の数々を出すべき時じゃないか! 新一にそれが通用するかどうかは甚だ疑問ではあるが・・・・・ 「あっ、さっきの話聞かせて。歩合制って言ってたやつ」 「ああ、それな。あの店についてから話さなきゃならないからちょっと長くなるけど・・・・・」 「うん」 コーヒーを飲み新一がひと息ついてから話し始めた。それは快斗が初めて耳にする内容であった。 「俺は一応あの店のオーナー兼料理長って立場になってるけど、経営面に関しちゃ素人だから知り合いの有名料理店のマネージャーしてる人にいろいろアドバイスしてもらってるんだ」 「へぇ、そうだったんだ」 「それでその人に今日の午前中会ってきて、お前にデザートの装飾考えてもらってること言ったら『そこまでやらせて給料そのままなのはあんまりだ』って言われてさ。それじゃ従業員はついてこないって」 「オレは別に気にしてないけど・・・」 お金目当てというより新一目当てに働いてるからねーv 「その人が言うにはそのバイトがなんで文句言わないか不思議だってさ」 「オレってすごい従順なバイトくん?」 「そうかもなー。でも、このままの状態が続いてお前に辞めるって言われると困るし、かと言っていきなりお前だけ時給上げるのは他のバイトが良く思わないだろうから、考えた末歩合制にするのが一番いいんじゃないかって思ったわけだ」 「なるほど」 「だからこれからは他の従業員がデザイン持ってきてそれを採用すればそいつにもプラスして払うし、お前がまたデザート売りまくればそれだけ給料に上乗せするってことになる。黒羽はそれについてなんか不満とかあるか?」 「ないよ。むしろそんな風に考慮してくれて嬉しいよvそのほうがやりがいもあるしね」 他のやつになんか負けないぜ!新一にご褒美もらうのはオレだけだー! 「よし、じゃあ仕事の話はこれで終わりな?せっかくの休みだしな」 「じゃあ新一があの車どうやって手に入れたか教えて!」 「あれか?あの車はな・・・・・・」 大変だったんだぞと話し出した新一。 こうしていると単なる仕事上の関係から友達に格上げされたようでとても嬉しい。趣味も合うようだしオレの未来は明るい!と思いながら取り留めのない話をしているといつの間にかすっかり日が落ちていた。 「もう外は暗いな。今何時だ?」 「もうすぐ7時だよ」 「メシでも食うか。黒羽のリクエストは何だっけ?」 「オムライス!ふわふわの!」 「お前味覚が子供っぽいよな。まかないがハンバーグだと異様に喜んで食ってるしな」 からかうように言ってから了解と言うとコップを持って新一はキッチンへと向かった。 「作ってるとこ見ててもいい?」 「見たいのか?」 「うん、いつもホール出ててちゃんと見たことないから。自分で作るときの参考にしたいんだ」 「いいけど期待すんなよ?普通だと思うぜ?」 新一と離れたくないという理由もあったが作っているところを見たいというのも本当であった。オムライスは基本のようだが上手く作ろうと思うと相当難しいのだ。そういう簡単そうな料理でこそ腕の良し悪しがわかるというものだ。 「匂いつくからちょっと着替えてくるな。その間に冷蔵庫から好きな具取っといてくれ」 「なんでも選んでいいの?」 「おう、キャビアでもトリュフでもなんでもいいぜ。入ってたらな」 ずっとスーツでいた新一は着替えに自室に行ってしまった。快斗は冷蔵庫を開けるとチャーハンに合いそうな具を選んではまな板の上に置いていった。 はぁー、こうしてるとなんか新婚?みてーじゃね?奥さんの料理を手伝う夫って感じだ。オレ様感無量! 「好きなの取ったか?」 着替えから戻ってきた新一は黒のジーンズにTシャツというラフな格好であった。 「うん、ってか新一さっきより大分若くなったね」 「実際まだ若いんだよ。スーツは誰でもちょっとは年食って見えるからな」 新一は快斗の出した具材を見て適量を切り取ると残りを冷蔵庫に戻しそれらを切りにかかった。 「あれ?玉ねぎいれねーの?」 「うっ、オレあれ苦手なんだよね・・・」 「いつも普通に食ってなかったか?」 「食べれなくはないけどないほうが好きなんだー」 「へぇ、店でも言えば抜いてやったのに」 手際よく具を切り、まな板の上に置くとフライパンを出しいよいよ炒めにかかる。ここからが本当のプロの領域だ。 慣れた手つきでフライパンを操り具やご飯を放り込んでは炒める様子を快斗はじっと見つめていた。 「やっぱ普通じゃないなぁ」 快斗のオムライスが新一の綺麗な指と細い腕で作られていく。さらっとしているが具の混ぜ方一つとっても素人の料理が上手いなんてレベルではない。 「タマゴはどうする?上にオムレツにしてのっけて後で割るのでいいか?」 「うん、それがいい!」 しゃかしゃかとタマゴをかき混ぜると熱したフライパンの上にのせ、あっという間に中がとろとろのプレーンオムレツができあがる。それを皿に盛ったご飯の上に乗せれば新一の店のメニューのオムライスとは一味違ったオムライスの完成だ。 「うわーいっ!ちょーうまそう!」 「本当に食いもん好きなんだな、お前」 好きなものかけなと言って快斗に皿を渡し、ケチャップやマヨネーズを出すと新一はまた自分のカップにコーヒーを入れて飲んだ。 「新一はタマゴつけないの?」 炒めたご飯だけを盛った皿を持ってリビングへと向かう新一を見て快斗が言った。 「ああ、コレステロールはひかえねーとな。店で嫌っていうほど食ってるから」 「うわ、なんか若年寄っぽい」 実は健康オタク?なんて疑問に思ってしまった。 「うっせ、早く食え」 「はいはい、ではいただきまーっす!」 ぽんと手を合わせて元気に言うとオムライスの上のオムレツに切れ目を入れた。 「わお、オレ好みのとろとろ具合〜」 タマゴを広げ、はぐはぐと湯気の立つオムライスを食べる。 「うぅ、本当に美味いよ新ちゃん・・・・!」 新一が自分の為だけに作ってくれたと思うと美味しさも倍増だ。 「よかった。一応お前へのご褒美だからな」 にっこりと満足気に笑って言う新一に胸の鼓動を高ぶらせながら快斗はぺろりとオムライスをたいらげた。 「ごちそうさまでした!」 「どういたしまして。お前、すげー美味そうに食うのな。彼女も喜ぶだろ?」 「いやー、オレ料理にはシビアだから不味かったら不味いって言っちゃっていつも女の子には泣かれて・・・・・」 「へー」 「ってちがくて!今のは過去の話だよ!?オレ今フリーだから!!!」 やっべ、雰囲気に流されて言わなくていいこと言っちまったよ・・・恋人になって欲しい人に昔の彼女のこと言うなんて不覚だっ!オレとした事が! 今日一日墓穴ばかり掘っていることを思い出し、どうにかせねばっ!と快斗は焦る。 「そうなのか?黒羽女にこと欠いたことないって聞いてたけど・・・」 「誰っ!?そんなこと言ったの!」 確かに昔はそうだったが今のバイトを始めてから、もとい新一と出会ってからは女と付き合ってはいない。もちろん遊びで寝たりもしていない。 以前の自分からは考えられないほど誠実な想いを抱いているのだ。新一に対しては中学生のように純情になってしまう自分がいる。昔の女が知ったら快斗らしくないと言うだろうが、今の自分が本当の自分なのだと快斗はこの頃は思うようになっていた。 「最近入ったバイトの子。お前の大学の近くの大学なんだと」 「そりゃ昔はそういう時期もあったけど・・・・・今はちゃんとしてるよ」 「いや、別に責めてるわけじゃないぜ?でも気分害したのなら謝るよ・・・」 「ううん、オレの方こそごめん。新一に誤解されたくなかったからムキになっちゃって」 「俺に?」 「あっ、いや、やっぱりオーナーにはよく思われとくに越した事ないでしょ?」 「俺にそれ言ったら意味ないんじゃね?」 「そうだよねー、でもオレが女遊びしてるようなチャラチャラした男じゃないことがわかってもらえればそれでいい」 「そういえば店で美人なおねーさんに誘惑されても答えなかったよな」 「でしょ?オレは改心したんだヨ」 あの時は新一に冷たくされてこのまま嫌われるかと思って焦ったよなー。でも今思うと新一は怒ってるっていうより拗ねてるって感じだったような気がするんだよな。気のせいかな?もしそうだったらオレに脈アリってことになるんだけどな・・・・・ 「黒羽、明日学校だろ?」 「うん、そんで終わったらお店に直行」 「そっか、ならそろそろおくるよ」 「えっ、もう?」 「そろそろ11時過ぎるぜ?俺12時には寝ねーと明日起きれないから。泊まっていってもいいけど明日だと家までおくれないからな」 「そっか、朝から仕込みあるもんね。じゃ、えっと・・・・・」 いいと言うのならば泊まりたかったが明日は休むとまずい授業があり学校をサボるわけにもいかず、かといって朝新一に迷惑をかけたくもない。だが、このまま帰るわけにもいかない。何かまた家に来れる大義名分を作らなければ・・・・・ 「あの・・・、本貸してくれない??」 ぎゃー何適当なこと言ってんだオレ! 「何の本・・・?」 「料理の本とか持ってたら貸してほしいんだけど・・・・・一人暮らしだから勉強しようと思って」 「ああ、なるほどな。いいぜ、本ならこっちの部屋にまとめて置いてあるから好きなの持っていくといい」 「ありがとう」 ふぅ・・・なんとか怪しまれずにすんだかな?レストランでバイトしてるんだから料理に興味持っても不思議じゃないしね。それ以上に興味があるのは新一なんだけど。 快斗は新一が開いたドアの向こうを見て唖然とした。そこには床が抜けるのではないかと思うほどの本が所狭しと並んでいたのだ。本棚に入りきらない本は床に直に置いてあり、本が飽和状態であった。 「これ全部料理の本・・・?」 「料理関係はほんの一部だ。大半はミステリー小説だな」 照れて言う新一をかわいい・・・と思いながら快斗は心の中でほくそ笑んだ。 これだっ!神様はオレの味方だ! 新一の家に押しかけるいい口実を見つけた快斗は新一との距離を縮めるべく猛アプローチを開始するのであった。 .end ※快斗は攻めです。 |