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いつもとちょっと違う日 「あすらん、あすらん!」 「ん?」 「あすらんが今欲しい物ってなぁに??」 「そうだなー、キラの口唇かな?」 「アスランのバカー!」 ぱちっ キラは覚醒した。自らの寝言によって。 「あー、もうどうしよう…」 キラは悩んでいた。 「もうすぐなのに…」 キラは眼を潤ませていた。 「アスランの誕生日…」 キラはアスランの誕生日プレゼントを決めあぐねていた。 と言うのも、アスランと言う男、産まれてこのかたキラのこの手の質問にまともに答えた事がない。キラが悩んで夢に見るほど彼の答えは複雑怪奇だった。 キラの誕生日にはこれでもかと言うほど高価な物を贈る経済観念のユルい彼。それでは悪いとキラが問えば上の有様だ。立派な男子のキラが瞳を潤ませるのも無理はない。(彼は割りとすぐ泣くが) そんなこんなで、いつも有耶無耶になってしまうアスランの誕生日。今年こそはプレゼントを!と意気込むキラに最初に待ち受ける難題は「何をあげるか?」であった。 「あ、アスラン…」 「ん?」 いつもの様にキラの家で寛ぐ二人。難しい顔をしたキラと対照的に、アスランはにっこりとキラを覗き込んで首を傾ける。 「さ、最近ね、嵌ってることとかある?」 「どうしたんだ?急に」 「なんとなくだよっ…!」 「そうだなぁ……如何に効率よく害虫退治をするか、かな」 「害虫??」 「そう。この家もね、今は穏やかだけど時々凄く大きくて有害なモノが出るんだよ?」 「えっ!僕見たことないよ?」 「オレがちゃんと退治してるからキラは心配いらないよ?でも時々隙を見てキラに近づくやつもいるから、オレ以外のモノが近づいてきたら気をつけるんだよ?」 「うん、わかった」 アスランの言葉の意味を知ることなくキラは頷いた。 そして肝心の情報を手に入れることも出来ぬまま身体をラグに縫い止められていた。 ああ、明日こそちゃんと聞かなきゃ……あ…きもちいー…… アスランの躾の甲斐あって快楽には従順なキラであった。 「アスラン、今日街に寄ってかない?」 「何か欲しい物でもあるのか?」 何でも買ってやるぞと言わんばかりの顔を見て、それじゃ逆だよ!とキラが焦る。 「ちょっとブラブラしたいだけ。偶にはいいでしょ?」 「そうだな。ご飯でも食べて帰ろうか」 「うん!」 きゃーー!僕ってば! キラは帰るなり頭を抱えた。 結局アスランは、キラに似合う服がある→試着してみよう→お買い上げ と両手に余るほど買い込み、ふらりと入った高級レストランの食事代も全て払ったのだ。 僕っていつも甘やかされてるんだ… 今更ながらに現状を思い知り、プレゼント選びは再び困難を極めた。 キラがのろのろとアスランを探っているうちに、とうとうアスランの誕生日その時がやってきてしまった。 ちなみにキラが得た収穫はゼロに近い。 どうしよう どうしよう どうしよう どうしよう どうしよう … (エンドレス) 「キラ?どうかしたのか?」 「へっ!?」 「さっきから眉間にシワを寄せてどうしようって…」 「え゛っ!」 声に出しちゃってたんだ…僕のバカ! (今更だが… う〜ん、アスラン誕生日だって気付いてるよね?僕と違って頭がいいから… また何もあげなかったらいつもと同じ日になっちゃう…駄目だよ、そんなの! 今日は特別な日なんだから…! 「キ、キラ??」 おーい、ダーリンが呼んでるぞーと難しい顔をしたままぶつぶつと何事か呟きだしたキラを呼ぶ。 「そうだ!決めた!」 珍しく勇ましい表情のキラが、ぱっと顔をあげキラキラと瞳を輝かせて言う。 いつもみたいに直球でアスランに聞くんだ。そして毎年のように変なこと言っても聞いてあげるんだ!僕に出来ることはそれしかないっ! とても安あがりかつ結局例年と同じコースを辿る学習能力のないキラは声を大にして聞いた。 「アスラン誕生日おめでとう!何か欲しいものある?」 「ああ、そうか…ありがとうキラ」 「アスラン欲しい物ある!?」 キラは長年の思いを今日やっと叶えられるのだと喜色満面にアスランに詰め寄る。 アスランは弱冠身を引き、それでも地底マントルよりも深く愛情を注いでいる自負のある恋人の嬉しそうな顔に、頭をフル回転させある答えを導き出した。 「キラが欲しい」 うわーん、アスランのバカ!また変なこと言ったー! 心でそう罵り、けれど例年のようにいくまいとキラは冷静に口を開く。 「い、……いいよ?」 「キラ…!」 「でも僕をあげるってどうすれば…」 「キラ!!」 がばり! アスランはすぐさまキラに圧し掛かり、早々に手を這わせてゆく。 「ちょ……アスラッ…」 「俺にくれるんだろう?おとなしくして…」 「んー………っ…」 僕をあげるってこういうことなの? これじゃいつもと変わらないじゃないか…… 来年こそはちゃんと何かあげなきゃ…! 結局、特別なようで、いつもと変わらない時間を過ごすバカップルなのでした。 キラの来年への野望も叶えられずに終わるであろう事は想像に難くない… end コナン設定使い忘れました |